持株会って、どんなリスクがあって、どう気をつければいいんだろう?
本当に儲かるのかな?やめた方がいいのかな…?
今回は、こんな疑問に答えます。
こんにちは、ミズキです。
前回の記事で、低リスクでコツコツ資産を増やすための方法として持株会に入ることをおすすめしました。
持株会は、個人で投資するよりもお得かつ簡単に資産運用ができます。なぜなら、
- 格安で自社株が買える。
- 多くの場合、月1万円といった無理のない額から運用できる。
- 会社が運用するので管理が楽。
という制度だからです。
ただ、株を買う以上、損するリスクは0ではありません。
そこで今回は、持ち株会はやめた方がいいのかな?と迷っている方向けに
・持株会で気をつけるべきこと
と、
・持株会のおすすめ戦略
について解説していきます。
こんな人におすすめ
持株会に入りコツコツ資産を増やしたい方。(特に新入社員の方)
読んで役立つこと
持株会で損しないための考え方が分かります。
持株会って何?
持株会とは、会社の従業員が自社の株を積立購入できる制度のことです。
上場企業の多くで福利厚生として導入されています。
子会社であっても、親会社が持株会をやっていれば利用できます。
一般的には、毎月の給料やボーナスから天引きされるという形で自社株を購入していきます。
積立額は加入時に設定でき、常に同じ額で買える分の株数を購入していきます。
(ミズキは新入社員の頃は毎月1万円、ボーナスの時は3万円を積み立てていました。)
常に同じ額で株を買うため、
・株価が安くなれば買える株数が増える。
・株価が高くなれば帰る株数が減る。
という買い方になります。
この買い方は「ドルコスト平均法」といい、長期的に株を購入する場合、極力リスクを減らせます。
なお、従業員が持株会に入ることで会社側にもメリットがあります。
・安定した株主(資金調達)が得られ、経営方針が決めやすくなる。
・従業員の会社経営への関心、業績アップのモチベーションが高まる。
会社側が持株会の加入を奨励しているのは、こういった理由からです。
持株会のメリットは、下の記事で詳しく書いています。興味があればどうぞ。
では、ここからはそんな持株会で気をつけるべきことを解説していきます。
気をつけること①会社の業績が悪いなら持株会はやめた方がいい
いくら持株会がお得に積み立てできるシステムだったとしても、長期間ずっと株価が下がり続けているようであれば意味はありません。
それに倒産したら、買った株式が全てパーです。
持株会に入る前には、少なくとも以下の3点は必ず確認しておきましょう。
- 過去10年分の自社の株価値動き
- 今後自分の会社は成長していきそうか?
- 会社の将来について上司や先輩たちがネガティブになっていないか?
『せっかく入った会社だから、応援の意味でも入ってみようかな』
という考えはとても素敵ですが、よく考えて入りましょう。
SBI証券のようなネット証券口座を開設し、インデックス投資を自分でやってみるのも手です。
気をつけること② 持株を売却できるまでに時間がかかる。
これ、非常に重要です!
積立購入してきた自社株は、すぐに売ることはできません。
だいたい会社に申請してから1ヶ月くらいかかります。
というのは、積立購入した自社株は会社の証券口座で管理されているからです。
自社株を売るためには、自分で証券口座を開設し、持株口座から自分の口座へ株を移行する手続きが必要になります。
(親に管理されている貯金を使いたいので、親にそのことを伝え、親の銀行口座から自分の口座に振り込んでもらう、というイメージです。)
そのため、持株を売却するまでの流れは以下のようになります。
- 持株会の担当証券会社を確認し、同じ証券会社の口座を開設する。
- 会社の持株会事務局(多くの場合は総務部)に申請する。
- 申請後、自分の証券口座に自社株が移される。
- 自分の証券口座を、値動きを見て売却する。
こんな感じです。2→3の間で大体1ヶ月かかります。
そのため、直近で大きく株価が値上がりしたとしても、すぐには売却できません。
売るタイミングを合わせるために、事前にしっかり準備しましょう。
なお、株の移行は100株単位であることが多いです。
例えば、482株持っていても移行できるのは最大400株まで、といった感じです。
残りは引き続き積立て続け、100株を超えたら初めて移行できるようになります。
気をつけるべきこと③ 会社を辞める予定があるなら、おすすめしない。
持株会は長期でコツコツ積立をすることで利益を増やすシステムです。
数年以内に転職する予定のある方には、ほぼ意味はありません。
そういった方には持株会よりもNISAのような投資法を実践するのがおすすめです。
最近は投資ブームもあり、SBI証券のようなネット証券の口座を開く若手社会人も増えています。
NISAで毎月少額でも積み立てていけば、10年スパンで資産を大きく増やすことができるでしょう。
もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
気をつけるべきこと④ 株主優待はもらえない。
株主優待を目的に投資を行う方も多くいます。
マクドナルドの株主優待はハッピーセットのチケットがついてきますし、ビックカメラの株主優待は店舗内で使えるの商品券です。
しかし、持株会では自社の株主優待はもらえません。
これは、自社株の購入が持株会の名義で行われているからです。
自分の証券口座内で買うわけではないので、株主優待狙いで持株会に入会するのはNGです。
持株会、売るタイミングや活用法は?
以上の気をつけるべきことを踏まえ、持株会はどう活用するのが安全なのでしょうか?
今の会社を続けることを前提に、解説していきます。
ポイントは主に4つです。
1. いつでも持株移行手続ができるよう、証券口座を作っておく。
これをしないと、持株会から自分の証券口座に移行できません。
時間があるときにやってしまいましょう。
証券口座を開いておくとIPO案件に参加するチャンスも出てくるので、一石二鳥です。
2. 定期的に自社の株価をチェックする。
基本中の基本です。会社の株価が上がり続けているのか、下がり続けているのか、時々でいいのでチェックしましょう。
社内で営業やマーケティングをやりたい場合、株価が話題になることも多々あります。
そういった話題にきちんとついていくためにも、株価には敏感になっておくことをおすすめします。
3. 損益分岐ラインを把握しておく。
これ、超大事です。
自分の積立額、奨励金総額、配当金総額、取得株数は定期的に会社から通知が来ます。
(ミズキの会社は半年に一度)
この数字を使いましょう。
取得株数を積立額で割れば、今保有している自社株の評価額が分かります。
評価額=取得株数/積立額
評価額が、現在の株価に対して多ければ含み益、少なければ含み損となります。
今の状態は、含み益か含み損か、必ずチェックしましょう。
含み損の場合でも焦ることはありません。
ドルコスト平均法によって安い株価で多くの株数が買えている状態なので、今後株価が上がった時に一気にチャンスになります。
逆に含み益が多すぎる場合は、いったん利確した方が安心です。
4. 売るタイミングは、十分な利益が出てから。
数百株持っている時点で十分な利益が出ているならば、利確を検討しましょう。
株価が上がり続ければ含み益はさらに増えますが、あるタイミングで株価がガクッと下がるリスクもあります。
目安として、5年に一度くらいは売るタイミングを検討するのがおすすめです。
以前は、定年まで積み立て続けるという考え方が主流でした。
しかし、現在の日本は残念ながら景気がいいわけではなく、株価も上がり続ける保証は全くありません。
そのため、十分な利益が出ているならば、5年日℃くらいのタイミングで売っていくのがリスクの少ない戦略です。
まとめ
持株会に入ろうか考えている社会人向けに、入る前に気をつけるべきポイントを解説しました。
- 会社の将来性にずっと悪いなら、やめた方がいい。
- 持株を売却できるまでの手続きに約1か月かかる。
- 転職する予定があるならおすすめしない。
- 株主優待はもらえない。
また、持株会のおすすめ戦略についても解説しました。
- いつでも持株の移行ができるよう、あらかじめ証券口座を作っておく。
- 定期的に自社の株価をチェックする。
- 損益分岐ラインを把握しておく。
- 適度なタイミングで売る。
持株会は長期積立てをする場合、資産を増やす強力な味方になります。
しかし、上記のように気をつけるべきポイントもありますので、じっくり考えてから入会しましょう。
この記事が少しでも役に立てば幸いです。
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